第56回ブルーリボン賞の各賞が22日、東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)から発表された。授賞式は2月11日、東京・千代田区のイイノホールで行われる。

 貫地谷しほりが、デビュー12年で主演女優賞を初受賞した。07年のNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の主演など高い演技力を評価されながら、受賞歴は08年のエランドール賞新人賞のみで、賞に縁がなかった。初主演映画「くちづけ」での受賞に「私の中ですごく大きくて、本当に忘れられない作品になった」と喜びをかみしめた。

 これまで関わった経験が少ない知的障害者役。「撮影に入ってからも毎日苦しかった。あんなに葛藤した日々、これからあるのかな」。女性の障害者と知り合う機会があり、堤幸彦監督から「ああいう人がいいね」と助言された。初の連続ドラマとなった05年TBS系「H2

 君といた日々」など、節目で自分を起用してくれた恩師の言葉で迷いがなくなった。

 この映画を経験して内面に大きな柱が出来た。「『ちりとてちん』が私の中でズシンとあり、違うものを見せたかった。『くちづけ』と出合い、新しい大事なものが自分の中で出来た」。13歳の時、新宿駅でスカウトされ二人三脚で歩んできたマネジャーの選ぶ仕事を迷わず受けてきたが、受賞を機に「役を話し合って決めていこう」と決めた。「大女優になれないかも知れないけど面白い女優になると思う」。【村上幸将】