俳優高良健吾(38)がこのほど、兵庫・宝塚市の手塚治虫記念館でNHKの特集ドラマ「手塚治虫の戦争」(8月放送予定)の制作発表取材会に出席した。

1970年代、漫画家としてどん底にあった手塚さんは自身の戦争体験を元にした漫画「紙の砦(とりで)」を描き始める。執筆に挑む手塚さんを高良、戦時下を生きる彼の分身の大寒鉄郎を原田琥之佑(16)が演じる。

高良にとって手塚作品との出会いは小学校の図書室での「ブラック・ジャック」「火の鳥」だった。そこから感じる手塚さんの印象は「穏やかでクール」だったが、今回の作品では「闘争心」を感じたという。

「手塚治虫さんの不遇の時代が描かれる。その苦しみは愛するものを突き詰めるが故に生まれる苦しみだと思っていて、その苦しみを乗り越えるのも愛するもの、漫画への信念や闘争心だと思う。僕はそれをこのドラマの中で演じきりたい。皆さんが知らない手塚治虫さんの一面を描けたら」と意気込んだ。

作品では戦争が描かれる。祖父から戦争の体験談を聞いてきたという高良は「繰り返しちゃいけないと思う。僕は戦争というのを祖父から言葉として、生き方として教えてもらいましたが、だんだん残して伝えてくれる方も少なくなっていて、だからこそ、作品で自分が演じることで戦争の琴を伝えられるのは、いい仕事だし、やりがいがあると思うし、関わりたいと思う作品です」と語った。

そんな高良を起用した田島彰洋プロデューサーは「今回のドラマの手塚さんは孤高で孤独な人でありつつ、少年でもある。二面性がある。まさに高良さんは2つを両立できる方だと思い、キャスティングしました」と経緯を説明。高良は「手塚治虫さんを演じられるなんて最初で最後かもしれない。ありがたいし、実際に調べて思うのは、物作りに対して『こうありたい』という気持ちで表現や物作りに向き合いたいと思うので、そういうふうに重ねていただいているのはうれしいです」と笑顔を見せていた。