<国際親善試合:U-22日本9-0U-22ミャンマー>◇11日◇フクアリ

 大差がつき前半だけで退いたが、やはりこのチームの軸は遠藤選手だ。所属の湘南では3バックに入り、代表ではボランチ。ともに高いレベルでこなしている。非常にバランスの取れた選手でパスもつなげて守備も確か。メンタル面で波がなく、どんな試合でも安定したパフォーマンスを発揮できる。リーダーシップも備え、個人的にはかつて日本代表で主将を務めた宮本恒靖選手をひとまわりスケールアップさせた選手、そんな器だと思っている。

 身長は178センチ。センターバック(CB)としては少し小柄だが、ヘディングも強くボランチに入るとサイズ的にも十分。CBの立場からすると助かる。ハリルホジッチ氏が率いることになるA代表にも、早いタイミングで招集されるのではないか。いずれにせよ、将来のA代表のキャプテン候補だと思う。

 期待が大きいからこそ、遠藤選手がこのチームにプレーで泥臭さを植え付けてもらいたい。国を背負った予選で最も大切なのは泥臭さ。きれいにつないで勝つサッカーもいいが、国の威信をかけた勝負はひと筋縄ではいかない。このひと言をアジアの戦いに出る若者へ、エールとして送りたい。(日刊スポーツ評論家)