鹿島は途中出場選手の活躍が目立つ。総得点50点のうち、交代で出場した選手の得点はリーグ最多の13点。総得点に占める割合は最高の26%にのぼる。2番目に多い11点の広島がFW浅野1人だけで8ゴールしているのとは対照的に、鹿島は赤崎と遠藤が各3点、土居とカイオが各2点を挙げるなど計7人が途中出場で結果を残している。

 勝負どころを見極めた石井監督の采配が光る。トニーニョ・セレーゾ監督の途中解任を受けて7月に就任すると、そこからチームは8勝2敗の好成績。前任監督時は20試合で途中出場選手は7得点1アシストだったが、石井監督に代わってからはその半分の10試合で6得点3アシストだ。

 石井監督は、途中出場で結果を残した選手を次の試合で先発起用する。そうして選手のモチベーションを高める。それが競争意識をさらに高め、選手層に厚みをもたらす好循環。第2ステージは首位の広島と同勝ち点の2位につける。名門クラブの歯車はかみ合ってきた。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)