<国際親善試合:日本0-4ブラジル>◇14日◇シンガポール国立競技場

 まるで大人と高校生がプレーしているようだった。あの悪いグラウンドでもブラジルはきれいなサッカーができ、設備だけ恵まれている日本は何もできなかった。こういう強い相手とアウェーの厳しい環境で試合をやると、本当の実力が分かるからいいよね。

 いつから日本は世界の一流サッカー国になったのだろう。ブンデスリーガの得点王も、セリエAで4ゴールを記録している選手も、代表では何もできない。武藤は若くてスピードはあるけどプレーのレパートリーはないし、柴崎も強い相手に圧力をかけられると良さを発揮できない。本当は世界との差は縮まってないし、むしろ広がっている。

 こういう現状を見て、協会はお金のかけどころを考えなければならない。監督を代えてどうなる問題でもない。W杯ブラジル大会では日本国籍を取得した元外国人選手が1人もいなかった。これこそ協会が「日本は世界レベル」と傲慢(ごうまん)になっている証拠だ。

 お金をかけて国籍を取得させることは世界のどこでもやっている。日本だってラモスや三都主、闘莉王を加えてきた。もう日本人だけで大丈夫? それが勘違い。確かに興行は大事だ。ベネズエラやジャマイカとやって武藤をスターに仕立て、お金をもうけるのは大事だ。だが、そのお金をどう使うか。短期的にチームを強くしたければ、外国人に国籍を取得させることをなぜ考えないのか不思議だ。(日刊スポーツ評論家)