これぞ超地域密着。選手名鑑を眺めていると、柏の「地元率」が目を引きます。日本人のほとんどが、千葉県か、流通経大に縁がある選手です。

 まず半数以上が柏U-18(ユース)の出身です。トップチームの所属する30人のうち、その数は何と17人。U-23(23歳以下)日本代表のポルトガル遠征に選ばれたGK中村航輔(21)MF秋野央樹(22)DF中谷進之介(20)も柏ユース組です。地域のクラブチームと連携して、有力選手をユースのセレクションや練習に参加できるシステムが確立されています。さらに下平隆宏監督(44)は、10~15年まで柏ユースの監督をしていました。

 ただ、ユース出身が多いだけではありません。実は千葉・茨城県内の高校または大学を卒業している選手もたくさんいます。DF増嶋竜也(30)が市船橋高出身。FW田中順也(29)は順大卒ですが、田中が4年間通ったスポーツ健康科学部のキャンパスは千葉・印西市にあります。柏駅から電車で約30分の茨城・龍ケ崎駅近くにある流通経大出身の選手も3人。うち2人は千葉の高校出身です。

 反対に日本人に限れば、柏ユースでも、千葉県内の大学、高校、流通経大を卒業してない選手は4人だけ。FW伊東純也(逗葉→神奈川大)、MF大津祐樹(成立学園)、DF今井智基(大宮ユース→中大)、GK稲田康志(C大阪ユース→大阪学大)と圧倒的少数です。まさに地元に密着したチーム編成と言えます。

 サッカーの見方、楽しみ方は人それぞれだと思います。その中で、ちょっと選手名鑑を手に経歴に注目してみるのもおもしろいです。地元や出身校が同じ選手が見つかれば、ちょっと親近感がわくかもしれません。


 ◆上田悠太(うえだ・ゆうた)1989年(平元)7月17日、千葉県市川市生まれ。東亜学園卒業後、明大を経て、14年に入社。文化社会部の芸能班に配属されTBSなどを取材。昨年11月からスポーツ部に異動し、今季から湘南、柏、千葉を担当。千葉県には幼稚園と、小学校高学年に時に住んでいた。選抜高校野球でも木更津総合(千葉)を応援していたが、準々決勝でサヨナラ負けを喫しガックリ。