リオ五輪真っただ中ですが、男子サッカー日本代表の手倉森ジャパンは1次リーグ(L)で敗退し、選手たちは13日に早々と帰国しました。

 もちろん、1次L敗退の検証などは必要だと思います。ですが、立ち止まってもいられません。日本サッカー界は五輪から、9月に開幕するW杯アジア最終予選へと進んでいきます。

 日本代表を率いるバヒド・ハリルホジッチ監督(64)も欧州選手権の視察と休暇を終え、4日に約2カ月ぶりに日本に戻ってきました。

 早速、その日から仕事場の東京・JFAハウスで、最終予選に向けた準備を進めています。

 そんな指揮官の最終予選に向けた“決意”をここでお伝えします。取材で、我々メディアとの関係性についての質問に、次のように答えていました。

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 ハリルホジッチ監督 私は、広報から「(発言に)注意してくれ、注意してくれ」と何度も言われるが「注意しない。大丈夫だ」と返している。

 私がメディアと話す時は真実しか言わない。いつも私はオープンでありたいと思っている。

 メディアからの批判も全然問題ない。ただ、おかしな批判は好きではないが。

 試合の時には1億3000万人(=日本国民全員)のジャーナリストがいると思っている。各自がそれぞれの意見を言っていいと思う。問題ない。

 もっともっとプレッシャーをかけてほしいと思っている。今まで、日本より100倍すごいプレッシャーをかけられて育ってきた。もっともっとプレッシャーをかけてもらいたい。

 世界ではそれが常識だ。マンチェスターUもRマドリードも、バルセロナもパリサンジェルマンもプレッシャーはすごい。そうして監督は強くなる。

 怖がっている監督もいるかもしれないが、私は怖くない。

 もっともっとフットボールが好きなんだなという雰囲気をつくって下さい。大好きだから、ここまで厳しいことを言うんだなと思えるような。

 我々は、結果で示さなければいけない。その中で、選手が本当に闘う選手になっていかなければならない。

 我々もメディアの皆さんも、選手を変えるために努力をしていかなくてはならない。

 国民の皆さんも、本当に期待してくれている。我々はトライしなければいけない。

 メディアの皆さんは、感じたことを好きに書いてもらえばいい。私が良くなければ、批判もたくさんしてほしい。

 ただ、選手ではなく、批判する時は私にしてもらいたい。監督がまず最初に批判を受けるべき存在なのです。

 私はメディアの皆さんには思ったことを伝えます。駆け引きはしません。もちろん、言えないことも残念ながらある。選手と私だけの話というものもある。

 選手にはこれからも、直接、厳しいことを伝えていく。たとえ、相手がメッシだろうがイブラヒモビッチだろうが、言うべきことは言う。それは選手をリスペクトしているからだ。

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 指揮官のこの言葉を胸に、我々も、皆さんも、決意を持って最終予選を迎えるべきだと感じました。ここ記したことを頭の中に置き、最終予選の取材を進めたいと思います。


 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。名古屋でアマチュア野球や一般スポーツを担当し、06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本協会などを担当。