サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(62)が13日、都内のホテルで就任会見を行った。午前中に成田空港着の航空機で来日し、契約書にサイン。会見では<1>3月の親善試合2試合で連勝<2>FIFAランク20位以内<3>18年W杯ロシア大会での16強以上、と短期、中期、長期にわたる3つの公約を掲げた。今日14日はJリーグ、東京-横浜戦(味スタ)を視察する。

 ハリルホジッチ監督は、会場全体を見渡しながら「コンニチハ」と日本語であいさつした。242人のメディアを前に「ここに来られたことをうれしく思っている」と切り出すと言葉が熱を帯び始めた。日本代表監督を引き受けた理由を「私のメンタリティーと似たものがある。厳しさ、規律、尊敬すること、真面目さ。フットボールで勝つことにおいて大事なものを兼ね備えている」と厳しい表情のまま話した。

 正式な契約はこの日だが、すでに研究は進めている。「W杯ブラジル大会、アジア杯はすべての試合を見た。選手らが、少し自信を失っているように見えた。いくつかの面を向上させられる」と自信たっぷりだった。

 同席した霜田技術委員長によると、主な代表選手を分厚いファイルにして会見場に持ち込んだという。そこには顔写真はもちろん、試合の詳細、いつ何試合出たかなどがまとめられている。同委員長は「何を聞かれてもいいように準備していたようだ」と明かした。

 その上で短、中、長期の3つの公約を掲げた。

 <1>3月の2試合連勝

 短期的な照準として「3月の2試合は2つとも勝たないといけない」とした。会見の途中で「負けると病気になる」と言ったほど、勝利にこだわる。「ビクトワール」というフランス語で勝利を意味する単語を繰り返した。就任直後を言い訳にするつもりはない。

 <2>FIFAランク20位以内

 中期的な目標には、現在53位からの大幅なランクアップを掲げた。「W杯で率いたアルジェリアは最初52位だった。それが3年後には17位になった。それと同じことができる。20位、もっと上を目指せる」。時間、我慢が必要だと説明し、スタッフらがファミリーになることを求めた。「今日は細かい話はしないが、このノートにやるべきことが書かれている」と特製ノートを見せた。

 <3>W杯ロシア大会で16強

 自身へのノルマのような強い口調だった。「第1の目標はW杯に出ること。参加するだけではなく、さらに上を目指す。1次リーグを突破し決勝トーナメント。日本はそのクオリティーを持っている」と、日本の潜在能力に期待した。

 日本代表は昨年のW杯で2敗1分け、今年1月のアジア杯はベスト8。そしてアギーレ前監督の解任。危機的状況の日本サッカーの救世主になるべく、ハリルホジッチ監督は最後まで自信満々だった。【高橋悟史】

 ◆バヒド・ハリルホジッチ 1952年10月15日、旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のヤブラニツァに生まれる。フランス1部ナントなどで活躍したFWで、ユーゴスラビア代表で15試合8得点。母国のモスタルで指導者になり、パリサンジェルマンではフランス杯を制覇。リールでは年間最優秀監督。08年にコートジボワール代表監督に就任し、10年W杯南アフリカ大会出場権を獲得した後、本番前に解任された。14年W杯ブラジル大会ではアルジェリア代表を16強に導いた。家族は夫人と子ども2人。182センチ。元日本代表監督のオシム氏との親交も深い。

<代表監督就任会見の「公約」>

 ◆岡田武史監督 就任会見時に公約は掲げなかったが、その後に「世界の4強を目指す」と宣言。10年W杯南アフリカ大会で決勝トーナメントに進出するも同1回戦で敗退し、ベスト4には残れなかった。

 ◆ザッケローニ監督 「(11年の)アジア杯は3位以上を目標にします」と話した。同時に14年W杯ブラジル大会の出場権獲得を目標に挙げた。結果はアジア杯で優勝、14年のW杯出場権も獲得。

 ◆アギーレ監督 「自分の目標、唯一の目標はW杯ロシア大会で日本を指揮すること」と話していたが、志半ばで退任。