日本代表は10日、W杯ロシア大会アジア最終予選、アウェーのオーストラリア戦に向けて調整を行った。

 MF香川真司(27=ドルトムント)が、宿敵オーストラリアとの大一番で先発復帰する可能性が出てきた。ハリルホジッチ監督は香川の起用について「明日分かります」とけむに巻いたが、試合会場で行われた非公開調整で、本田ら主力組と連係を確認した模様だ。6日イラク戦は清武がトップ下に入り、出番なし。名誉挽回のチャンスになる。

 「厳しい戦いになると思う。チームとして忍耐と、我慢する気持ちでやりたい。すぐに勝てる相手ではないが、思い切って戦えば、うまくいくと信じている」

 現地で盛んなクリケットやオージーフットボールの舞台として主に使用される会場は、円形になっている。ピッチレベルでの視界が通常のサッカー場とは異なり、遠近感がつかみにくい。それでも香川は「やってみて違和感はなかった。問題ない」。非公開調整後は1人だけ残って、芝生の感触を確認。引きあげる際には、わざと手倉森コーチにボールを当てるふりをして笑いを誘う余裕もあった。

 「速いタッチで両サイドをうまく使いながらやる。迷わず、速いスピードで展開すればチャンスはある」

 勝てばB組首位浮上の可能性もある一方で、負ければW杯出場が遠のく。香川の出来が日本の運命を握る。【益子浩一】