日本サッカー協会は13日、初の試みとなる日本代表候補GK合宿(17~19日、大阪府内)の招集メンバー6人を発表した。初選出されたのは、J2松本のシュミット・ダニエル(24)。Jリーグの日本人GKで2位タイの身長196センチを誇る、将来の正GK候補。93年のJリーグ発足以降、すべてのポジションを含めて歴代の日本代表で最長身となる。

 196センチの長身で「進撃の巨人」の異名を取るダニエルが、182センチのハリルホジッチ監督の目に留まった。現在A代表の正GKを務める浦和西川より13センチも高く、Jリーグでは徳島の2種登録選手、199センチの中野小次郎(17)に次ぐ2位タイの大型GK。まだ「候補」段階だが、93年のJリーグ発足以降の日本代表で最長身の選手となった。

 今季、J2で自動昇格圏内の2位につける松本で全35試合にフル出場。好調とはいえ、本人にとっても驚きの選出だったようで、クラブを通じ「今まで年代別代表にも呼ばれたことがないので光栄に思います」とコメントした。得意のハイボール処理だけでなく、中学まで守備的MFだったため足元の技術にも自信を持つ。松本では、今年7月24日の長崎戦で完封し(1-0)、北京五輪代表を率いた反町監督から「今日はGKの守備範囲がノイアー(ドイツ代表)ばりに広かった」と絶賛された逸材だ。

 日本協会が高い潜在能力に着目し、将来の守護神候補として英才教育を施す。海外でプレーする代表経験GKは現在、フランス1部メッスの川島とオーストリア2部SVホルンの権田しかおらず、協会側とハリルホジッチ監督は「国際レベルのGK育成が不可欠」との認識で一致。今回の合宿を企画した。3日間で4度の練習とミーティングが予定されており、ルグシッチ、浜野の両GKコーチだけでなく、黙っていられない性格の指揮官による熱血講義もありそうだ。リオ五輪代表の鹿島櫛引と柏中村も初招集された。【木下淳】

 ◆シュミット・ダニエル 1992年(平4)2月3日、米イリノイ州生まれ。父が米国人で母が日本人。2歳で来日し仙台へ。小学校2年でサッカーを始める。東北学院高でGKに。中大時代は全日本大学選抜にも選出された。14年に仙台入り。J2熊本への期限付き移籍をへて、今季は同松本に期限付き移籍中。J2通算65試合出場。196センチ、90キロ。

 ◆長身メモ Jリーグによると、ダニエルは今季登録されている「日本人GK」では、2番目に大きい。最長身は199センチの中野で、ダニエルと同じ196センチの波多野豪(東京)もいる。フィールドプレーヤーでは205センチのFW畑中槙人(鳥栖)がJリーグの日本人最長身。世界主要リーグのGKでは、ベルギー1部ウェステルロークリストフ・ファンフート(29)の208センチが最長身とみられる。