プラチナ並みの輝き見せた! G大阪FW宇佐美貴史(22)が、自身初の開幕弾を決めた。J1開幕のホーム東京戦の後半8分、自らが獲得したPKをキッカーMF遠藤に譲らず、追加点を挙げた。チームを背負う覚悟を宿した“衝撃的”なPKだった。注目されたプラチナ世代エース対決は、宇佐美の1ゴールと東京FW武藤の2ゴールと両者が活躍。昨季3冠のG大阪は後半ロスタイムに追い付かれ、2-2で引き分けた。

 冷たい雨が降り注ぐピッチに堂々とエースが立っていた。1-0の後半8分、ペナルティーエリア内で宇佐美が倒されPKを獲得。誰もが“職人”遠藤が蹴ると予想したが、ボールを離さない。「蹴ってもいいですか?」。遠藤に問いかけた。「いいよ」と返されると、落ち着いて右足を振り抜きゴール左隅へ突き刺した。G大阪で遠藤以外の日本選手が成功したのは5年ぶりという、歴史に残る1発だった。

 「キッカーはヤットさん(遠藤)みたいな感じになってるかもしれないですけど、自分で奪ったPKは自分で蹴ろうと思っていた。それはこれからも同じ」

 まるで、11年アジア杯シリア戦での日本代表のようだ。PKの絶対的キッカーだった遠藤に対し、FW本田圭佑がボールを抱いて離さず、「自分に蹴らせてくれ」と言わんばかりに主張。日本を背負う人物となっていった本田だが、宇佐美にもその強い志が見えた。遠藤はこの日、PKを決めると、Jリーグ歴代PK得点数の単独1位に躍り出ていた。ただ、遠藤は「誰が蹴ってもいいと思ったので」と言い、宇佐美は記録を「全然知らなかった」。先制点も演出した2人のあうんの呼吸でPKが決まった。

 注目された92年生まれのプラチナ世代エース対決でも負けられなかった。日本代表で活躍する武藤は、試合終了間際のスーパーゴールを含む2得点。素直に「素晴らしいゴール」とたたえたが、胸の内は違う。同い年のA代表、鹿島MF柴崎やDF昌子、武藤よりも自分の方が「伸びしろ」があると自負。代表招集のため、チームの連覇のため、結果で彼らに追い付く事を目指している。

 だからこそ、途中交代に悔しさもにじませた。「まだもう1点を取ろうと思っていた。守備をこなしながら攻撃も引っ張っていけるプレーをして、監督にアピールしないと」。ドロー発進となったが、残り31試合もある。まだまだ22歳の進化は止まらない。【小杉舞】

 ◆G大阪のPK リーグ戦で遠藤以外の選手が蹴ったのは、J2時代の13年にFWレアンドロが2度蹴って2度成功して以来。日本選手に限ると、12年4月7日の広島戦(遠藤はフル出場)でのMF寺田以来3年ぶりだが、このときはキックを失敗。遠藤以外の日本選手が成功したのは、10年4月17日の清水戦(遠藤不出場)でのMF明神以来5年ぶり。