J2磐田は東京Vを下し、再び首位に浮上した。DF伊野波雅彦(29)が右足首捻挫で欠場も、今季初先発のDF坪内秀介(31)が体を張り続け完封勝利に貢献。マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。後半10分にFWアダイウトン(24)の今季6点目で先制し、同14分にはFWジェイ(32)がPKを決め加点。同35分にアダイウトンが退場し10人になるも、粘り強い守りで逃げ切った。

 DF坪内は相手の強烈シュートをブロック。DF藤田とセンターバックのコンビを初めて組むも、声をかけ合い、ラインを高く保ち、相手の飛び出しもケアし続けた。残り10分で10人で戦う苦境も無失点で終え、初先発の大役を全うした。

 4節大分戦は、守備固めで終了間際に投入されたが、カウンターを浴びる大ピンチで名波浩監督(42)から大目玉を食らった。

 坪内 大分戦の失敗を取り返したい思いが強かった。リスクがある中、起用してくれた監督の期待に応えたかった。2-0で勝てたのは大きいこと。

 マン・オブ・ザ・マッチに選ばれ人生初のお立ち台も経験。「冗談かと思った」とおどけ、スタンドの夫人と長男(5)長女(3)に手を振った。おちゃめキャラで、前日のミニゲームでは足裏でオーバーヘッドを放つ滑稽なシュートで笑いを注入。名波監督も「笑いすぎて涙が出た」と振り返り「練習姿勢も150点」と真摯(しんし)な姿勢をたたえた。

 伏兵の活躍でチームは首位に浮上。名波監督は坪内に「すべてのプレーに気持ちが入っていた。完封できたのは彼を含めた最終ラインの活躍が大きかった」と目を細めた。坪内は「いつ出番がきてもいいようにやっていきたい」と話した。【岩田千代巳】