仙台が新潟に完勝した。未来のベガルタを担う背番号7のMF奧埜博亮(25)が先制を含む2ゴール、後半33分には前節浦和戦から連続先発のMFキム・ミンテ(21)がダメを押した。若き2人の2戦連続弾で今季8試合ぶり、敵地では約1年ぶりの勝ち点3を奪取した。

 仙台下部組織育ちの奧埜が、真の力を発揮した。前半10分にFW金園とのコンビ技で先制点を奪うと、後半20分には強烈なミドルシュートで追加点を挙げた。4月4日清水戦以来のリーグ戦白星に加え、アウェーでは昨年5月10日のC大阪戦以来となる勝ち点3。「勝利は特別。違うものです」と笑顔を見せた。

 修行で一回り成長した姿を見せつけた。1点目は、前線で相手DFに競り勝つプレーを続けていた金園との好連係から生まれた。「競り勝って、いいところに落としてくれると信じて走った」と左足で仕留めた。2点目は相手DFのこぼれ球を拾ってドリブルし、「(DFに)当たらないコースを狙った」と見事なミドル。味方との相性を生かしたプレーと個人技で、前節のJ1初ゴールに続く、2戦連発の2ゴールを決めた。

 「小さい頃から仙台でプレーするのが夢だった」と言う。12年に晴れて仙台に加入も、14年にJ2長崎に期限付き移籍した。「仙台では試合にも出られなかったし、悔しかった」。それでもいつの日か仙台で活躍する日を思い描き続けた。長崎では「(仙台に)帰った時にしっかり活躍できるようにと、常に頭の片隅に置いていた」と経験を積み、メンタル面でも成長を遂げて戻ってきた。

 渡辺監督も「もっと成長して、中心選手になって欲しい」と目を細める。奧埜は「徐々に自分らしさを出していければ」。未来の仙台を背負う男がいよいよ本領発揮、巻き返しへ突き進む。【成田光季】