37歳の横浜MF中村俊輔主将が、日本代表ハリルホジッチ監督の前で見事な直接FK弾を決めた。浦和戦の前半28分に自身の持つJ1通算記録を更新する19本目の直接FK弾。「あのボール(公式球)は相性がいい。足にうまく(ボールが)乗っかった」。イメージ通りの弾道で日本代表の正GK候補、西川をまったく問題にしなかった。この先制弾から一気に得点を重ね、第1S王者を圧倒。リーグ4連勝とした。

 かつての日本代表の10番の芸術弾に、得点力不足にあえぐ代表指揮官は静かに首を振るしかなかった。帰り際、なぜ首を振っているのか? と理由を問われると素直に「彼がもっと若ければ。彼のような若い選手がほしい」と口にした。10年W杯南アフリカ大会を最後に代表引退した37歳の見事な飛び道具を目の前で見せつけられ、大事なW杯アジア2次予選を前にため息をつくしかなかった。