G大阪の日本代表FW宇佐美貴史(23)が得点王直接対決で不発に終わった。川崎Fとの乱打戦に敗北。宇佐美はFW大久保(川崎F)と19点で得点ランク首位に並んでいたが、目の前で2点を挙げられ、21得点で単独首位を許した。激闘だったACLアウェー広州恒大戦から中3日でチーム全体が「お疲れモード」。8位に後退し、第2ステージ(S)優勝に赤信号が点滅した。

 経験の差か。疲労度の差か。得点王を狙うエース宇佐美はシュートわずか3本の無得点に終わった。対する大久保は3倍の9本を放ち、今季21点目とした。目標にしている個人タイトルが遠のいた瞬間だった。

 「(大久保は)取るときに取るなと感じた。前半からもっとアグレッシブにいければ良かった。自分がゴールを決めていれば、チームもまた変わっていた」

 後半20分、ゴール前でこぼれ球をフリーで拾い、シュートを放ったが相手DFの好守に阻まれた。長谷川監督は「まだまだお子ちゃま。こういう厳しいゲームで存在感を見せられるといっちょ前(一人前)になる」と優しくも厳しい言葉をかけた。

 ACLの広州恒大戦から中3日。気温31度、湿度70%以上の条件下で戦った疲労は拭いきれず、宇佐美は「多少ですけど体は重かった」。GK東口、DF丹羽、米倉と3人の日本代表が率いる守備陣も“ヘロヘロ”状態だった。12年6月30日柏戦以来となる5失点と崩壊。連係がうまくいかず、前半終了時に控室へ引き揚げる際には、守備の甘さをめぐってDF岩下とFWパトリックが衝突。宇佐美がさりげなく間に入って落ち着かせる一幕もあった。

 勝てば、直接対決を残す首位広島と勝ち点3差に縮まるチャンスだったが、残り4試合で勝ち点6差のまま。チャンピオンシップ出場圏内の年間3位東京とは同5差。宇佐美ら代表組は試合後すぐ帰阪し、代表本隊に合流する強行軍で、さらに疲労を重ねた。過密日程は宿命ながら、昨季3冠のG大阪にとってはいばらの道が待ち受ける。【小杉舞】