もう1度、J3藤枝がジャイアントキリングを起こすぞ! 天皇杯2回戦で、清水に4-2で大逆転勝ちした藤枝は今月14日、同3回戦でJ1山形と対戦する。過密スケジュールや、アウェーへの移動距離など厳しい条件がそろっているが、チームは気合十分だ。J1チームを連破し、さらなる下克上を目指す。

 J3藤枝はチャレンジャー精神で、J1山形に、全員で挑む。エースFW大石治寿(26)は、9月9日の天皇杯2回戦清水戦で2得点を挙げ、逆転の立役者となった。「相手は個人の能力は高いかもしれないが、どうチームで勝つか。引いたりしないで、自分たちのサッカーをしたい」と山形戦を見据えている。さらに「勝って、スポンサーの方や日ごろ支えてもらっている方へ感謝の気持ちを伝えたい」と地元への思いも背負っている。

 個人にとっても、勝負の舞台だ。MF久富賢(25)は、松本がJFL時代の11年シーズンに所属。天皇杯3回戦でJ1新潟に勝利したが、4回戦でJ1横浜にまったく歯が立たず、敗れた苦い経験がある。4年を経て「清水に勝ったことは自信になった。次も今の自分がどこまで通用するのか知りたい」と話す。

 清水戦で攻守に貢献したサイドバックのDF橋本巧(26)が、9月中旬の練習中に左足の第5中足骨を骨折して手術。今季絶望となり、大きな戦力を失った。しかし大石篤人監督(39)は「痛手だが、我々は何かしてやろうという高いモチベーションで臨む」と話す。2試合連続の金星を挙げて、藤枝の名前を全国に広めるつもりだ。【保坂恭子】