J2C大阪が、来季の新監督として湘南の曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(46)に正式オファーを出したことが25日、分かった。既に金銭面や契約年数などの条件を提示。現在は細部の交渉に入っている。

 クラブ側は当初、OBで韓国Kリーグ浦項の黄善洪(ファン・ソンホン)監督(47)と交渉したが、この日までに破談になったことが判明した。昨オフに続く2年連続のオファーだったが、黄監督が来季は監督職に就かずに休養したい意向を示したという。

 そのため急きょ、04年にC大阪でヘッドコーチを務めた経緯のある曹監督に白羽の矢を立てた。04年当時は、兄貴分的な存在として森島、西沢の看板選手を指導し、伸び盛りだった大久保(現川崎F)らも育てた。12年から湘南の指揮を執り、昨季はJ2を制覇。昇格1年目の今季は、J1で年間8位にまで躍進した。厳しい指導は有名で、若手を育成しつつ結果も出してきた。低迷するC大阪の再建には、うってつけの人材とも言える。

 ただ、曹監督には同じ関西のJ2京都も大型契約でのオファーを出している。湘南も続投要請をしており、最終的には本人の決断次第となる。C大阪は17日にアウトゥオリ監督を事実上の解任とし、現在は大熊強化部長が兼任で指揮を執る。リーグ戦は4位で終了し、29日からJ1昇格プレーオフ(PO)に臨む。来季J1、J2にかかわらず、曹監督にクラブの再建を委ねる方針。順調ならPO終了後の12月中旬にも正式決定させたい考えだ。

 ◆曹貴裁(チョウ・キジェ)1969年1月16日、京都市生まれ。京都・洛北高から早大に進学し、日立へ。現役時代はDFで柏、浦和、神戸に在籍。97年に引退しケルン体育大に留学。川崎F、C大阪でコーチを務め、12年から湘南監督に就任、2度J1昇格に導いている。