元日本代表MF本山雅志(36)が、今季限りの退団が発表されてから1夜明けた27日、現在の心境を語った。

 茨城・鹿嶋市内で練習終了後、私服姿で「聞きたいことは?」と、ちゃめっ気たっぷりの笑顔で現れた本山の表情は、晴れ晴れとしていた。

 「次に向かって、何ができるかワクワクしています。次のチームが決まれば、全力尽くせるように頑張りたいと思ってます。辞める気持ちはなかったです」

 誰にも相談せず、1人で迷わず現役続行を決意した。

 鹿島の通算17冠のうち14のタイトル(リーグ6、ナビスコ杯5、天皇杯3)獲得に貢献。最も印象に残っている試合を聞かれると、「ありすぎて一番は決められないですね。いろんな選手といろんな絡みでプレーをして全部が思い出になってます。総括できないような18年ですね」。それだけ濃密な鹿島生活18年だった。

 02年から常勝軍団の10番を背負い続けた。

 「鹿島の10番にしては物足りないと思っている人がたくさんいると思いますけど、僕なりに頑張ったつもりです。周りに支えながらだけど、タイトルもたくさん取った。少なからずチームには貢献できたのかなと思っています。次にどこに行けるか分からないですけど、誇りを持って行きたいと思います」

 本山の元には、まだオファーは届いていないが、複数クラブが興味を示している。

 「オファーくれるチームがあれば、そのチームのために全力で頑張る。今まで鹿島でも全力を尽くしてきた。変わらずにやっていきたい」

 今後は海外移籍も選択肢に入れて、検討していく。

 「どこでサッカーできるかフラットになっているので、すべての可能性を考えて判断したいなと思います」

 最後は満面の笑みで「また(話を)聞きに来てください」と言い残して、車に乗り込んだ。

 本山は東福岡高から98年に鹿島入り。日本代表としては99年ワールドユースで史上最高の準優勝に導き、小野伸二と2人で日本人初のベストイレブンに選ばれた。00年シドニー五輪8強。W杯出場はなかったが、国際Aマッチ28試合に出場した。