元日本代表DFの岩政大樹氏(44)が監督を務める東京学芸大は、敵地で東京農業大に0-1で敗れた。
前半は相手の圧力を受けて押し込まれたが、後半は一変してリズムをつかみ相手ゴールに何度も迫った。しかしなかなかこじ開けられず、同11分にワンチャンスを決められて失点。最後まで攻めたが得点を奪えず、敗戦となった。
昨季はシーズン途中までJ2北海道コンサドーレ札幌を率いていた岩政監督は、母校を初めて指揮している。「1回バタバタし始めると、ハーフタイムまでずっと続いてしまう。相手がやりたいやり方に自分たちでハマりに行ってしまった」と前半の内容を悔やんだ。
ハーフタイムに、ボール保持と被保持の状況を整理。前掛かりになって背後を狙われていること、そして相手のハイプレスへの対応の仕方を共有しただけで戦いは大きく変化した。「前後半で同じ人たちが同じ相手とやっててこんなに違う。ハーフタイムにシンプルに理解したらできるわけだから、それを試合前から想像しておかなきゃいけない。まあ僕の指導力不足ですね」。
開幕戦は勝利したが、その後は2部から降格してきたチームとの4連戦で1分け3敗。思うように勝ち点をつめなかった。重要なのは意識改革だと考えている。
「2部に上がりたいんだったら、2部から落ちてきた相手とか関係なく名前負けしてるようでは話にならない。日本代表も前回のワールドカップ(W杯)でスペインとドイツを破って一気にマインドセットされて景色が変わったように、成功体験を積んでいろいろなものを取っ払わないといけない。それはトレーニングではなかなか解決できない部分でもあるので難しいですね。でもこれだからサッカーって面白いんですよね」
状況に応じて選手たちが自分たちで解決策を見つけることは、岩政監督が求め続けていることでもある。現在は、大学で指導現場を持ちつつ、教育とスポーツを掛け合わせたプログラムの策定にも奔走中。その中でも「自律」は重要なテーマだ。
試合中、同じ状況はほとんど訪れない。そうしたサッカーの特性を生かし、ある程度の原理原則を共有した上でヒントを与えつつ、最終的な状況判断を選手たちが行うようなチーム作りにトライしている。国立大の推薦枠は少なく、戦力は限られる。それでも個々が成長する枠組みを設定し、底上げができれば十分に戦える余地は残されている。勝ち星からは見放されているが、全てを悲観している訳ではない。「継続してやっていくしかないですね」とうなずいた。【佐藤成】



