来季J2の山形が鹿島MF梅鉢貴秀(23)の獲得に乗り出していることが15日、分かった。両足から繰り出す正確なパスとハードワークが武器のボランチで、期限付き移籍も含め交渉を進めている。残り1枠の外国人枠で、FWディエゴ・ローザ(26)の獲得も決定的となった。

 1年でのJ1復帰を目指す山形が、「心臓部」の補強に乗り出した。手薄になった中盤の強化を狙い、梅鉢に白羽の矢を立てた。ボランチは来季3年目を迎える石崎プレッシングサッカーを支える重要なポジション。MFアルセウの来季残留は決まったが、MF宮阪の松本移籍が決定的。契約更新未発表のMF松岡は8月末に右膝の手術をしており、2月末のJ2開幕に間に合うかは微妙だ。

 92年生まれのプラチナ世代の1人だ。関大第一(大阪)から鹿島入団5年目で、日本代表MF柴崎と同期。176センチ、67キロの体から左右ともに正確なパスを供給し、展開力を持ち合わす。守備でも豊富な運動量で奔走し、石崎サッカーに順応する資質を備えている。

 今季は開幕戦こそ先発したが、6月7日の山形戦以降は出番がなく、8試合の出場に終わった。山形と鹿島の間では、過去に積極的な移籍が行われてきた。10年にはFW田代、MF増田が、15年にはFW高崎がいずれも期限付きで加入。出場機会を求める梅鉢と、中盤の層を手厚くしたい山形の思惑が、一致する形となりそうだ。

 もう1つの懸案事項だった前線の補強も決まった。ブラジル人FWディエゴ・ローザの獲得が決定的となった。今季、同国内のセリエBルベルデンセで38試合に出場し10得点を挙げた快足FW。180センチ、73キロの体格からキレのあるドリブルが自慢で、1トップから2列目までこなせる。J1で最下位に苦しんだ得点力不足を解消する切り札として期待がかかる。J1再昇格を狙う山形の補強が、一気に加速し始めた。