J1通算最多得点単独トップとなる158点目を決めた広島FW佐藤寿人(33)が試合後に、ライバル大久保嘉人の存在を語った。前日5日の湘南戦で、川崎FのFW大久保が157点目に到達。中山と大久保、佐藤の3人がトップタイで並んでいた。同じ33歳の大久保のことを問われると、佐藤はこう明かした。

 「僕が先に(158点目)を決めて、嘉人に追い抜いてもらいたいと思っていた。その方が気が楽なので。嘉人は次、名古屋戦ですよね。そこで決めてくれると思っています。彼は(神戸時代などに)中盤もやっていましたから。もし彼がずっとFWをしていたら、もう170、180点に行っているはずです」

 かつてC大阪で一緒にプレーしたことのある大久保の存在を認めた上で、ここまでのプロ生活は自分にしかできないことを考え続けてきたという。

 「(相手)DFに見えないポジションにいることを意識してきた。僕が(DFの視界から)消えた時、たいていのDFは僕を探す。(得点機は)その瞬間なんです。常にDFの視野にいるFWは怖くないですから」

 独自の得点スタイルを身に付けて、ここまでたどり着いた。

 佐藤は「158点目を決めましたけど、これが終わりではない。しっかりイメージ通りのゴールが決められるように、していきたい」。今月12日で34歳になるベテランに、立ち止まる時間はまだまだなさそうだ。