新潟は今日15日の第7節、広島とアウェーで対戦する。DF舞行龍(まいける)ジェームズ(27)の今季初出場、スタメン起用が濃厚だ。開幕前に右膝を負傷し、ベンチ入りからも外れていたが、広島戦前の練習ではフルメニューをこなすなどコンディションは整った。昨季王者とのアウェー戦、守備の要が完全復帰し、チームを引き締める。

 巡ってきたチャンス。「まだ使ってもらえるか分からないけど…」。舞行龍は慎重に言葉を選びながらも、「いつでも出られるように準備してきた。コンディションは問題ない」と広島戦の出場に意欲を見せた。

 14日の全体練習終了後、センターバックに入り、MF小泉慶(20)DF早川史哉(22)とともに守備の確認。吉田達磨監督(41)が蹴ったボールの処理を繰り返した。

 その中で、舞行龍は動きながら早川、小泉に細かく指示を行った。「意識して声を出した」。昨季まで不動のセンターバック。ただ、今季は公式戦はもちろん、練習試合も経験していない。1月の高知キャンプで右膝を負傷後、4月に入るまで別メニューだった。ぶっつけ本番に備え、実戦感覚を呼び起こすために声を絶やさなかった。

 もっとも「ミーティングには参加していたし、DVDもたくさん見た」とチームの戦い方はインプットされている。広島対策も「青山(敏弘)さんから出るボールに注意。カウンターのカウンターを、ケアをしっかりと」と守備のツボは押さえた。

 吉田監督は「この1週間、彼の中でも準備をしてきたと思う。いずれどこかで、使わないと」。舞行龍は毎日、練習開始2時間前にクラブハウスに到着。交代浴と筋トレで体調を整えた。復帰に向けて、手抜きはしなかった。前節磐田戦後の11日の練習から、離脱することなく、すべてのメニューをこなしている。

 13日の練習後、オールバック気味の髪を短めに切った。耳からあごまで覆っていたヒゲも短くそろえた。「ワイルド」から「さわやか」にイメチェン。広島戦後、2カ月になった長男と写真撮影をする。「それで切りました。気合を入れたわけじゃないです」と笑う。勝ち点3を持ち帰り、満面の笑みで親子の思い出をつくる。【斎藤慎一郎】