磐田は1次リーグ敗退が決まった。アウェー鹿島戦で、前半17分にDF藤田義明(33)の得点で先制したものの、後半に同点に追いつかれた。1-1で引き分けて勝ち点を伸ばせず、決勝トーナメント進出条件となる2位以内が確保できなくなった。2年目のGK志村滉(20)と1年目のDF大南拓磨(18)ら、リーグ戦で出番のない若手が多くスタメン出場したことが、明るい材料となった。

 ヤングジュビロたちが、カシマスタジアムで意地を見せた。2選手の故障者を抱えるGKには、志村が抜てきされた。プロデビューとなった若き守護神は前半14分、早い判断で飛び出し、シュートをブロック。最終ラインはU-18日本代表の韓国遠征から帰国したばかりのDF大南が起用され、プロ初先発した。ベテランDF高木和道(35)らと連係をとり、体を張った。

 前半17分、急性腰痛症から復帰したFW森島康仁(28)がファウルで得たFKが起点に。DF中村太亮(26)の正確なクロスからニアサイドで森島がつぶれ、ファーサイドでDF藤田が頭で合わせて先制した。

 磐田にとってカシマスタジアムは特別な会場だ。黄金期には何度も名勝負を繰り広げた。歴史を知る選手たちは「どんな試合でも、鹿島に勝つことが大事」と高い意識でプレーした。

 後半8分、志村は至近距離からの枠内シュートを足だけではじいた。毎日のように居残りでFW陣のシュート練習でGKを務め、名波浩監督(43)が「急成長している」と認める逸材は練習の成果を示して好セーブを連発。ところが同13分に1度は相手のヘディングシュートをはじいたものの、こぼれ球を押し込まれて同点ゴールを許した。

 これで磐田はナビスコ杯の1次リーグ敗退が決定した。チャンスを求める若手の猛アピールだけが光明だ。今季の目標であるJ1残留へ、リーグ戦にすべてをかける。【保坂恭子】