山形がホームで引き分け、7月6日の熊本戦以来の勝利を挙げられなかった。

 相手を上回るシュート12本を放ちながらも、決められない。後半30分から途中出場したFW大黒将志(36)が裏へ抜け出す動きを繰り返し、好機をつくるもシュートがGKの正面をつくなど、わずかな運がなかった。

 この日は「山形県民応援デー」と銘打ち、1万4450人が来場。ユニホームのプレゼントもあり、スタジアムが青に染まった。勝利への期待が高かった分、引き分けに終わり、一部のサポーターが森谷俊雄球団社長(62)に説明を求め、スタンドに居座った。森谷社長が現れるとサポーターは責任の所在を追究。不調が続くチーム状態などについて怒りの声を上げ続けた。自らの進退を問われた森谷社長は「責任を持ってやります」と答え、対話を終えた。

 それでも13試合ぶりに無失点で試合を終えるなど守備面では上昇の兆しが見えた試合。GK山岸範宏(38)は「勝利を見せられず悔しい気持ちです。今日は満足することは何もない。ただチームとしてはブレてはいけない。結果が出てないと外野だったり、メディアの声だったりがある。我々は監督の目指すものをピッチの上で全力でプレーすることが大事。僕はサポーターも含めてクラブだと思っている。結果が出ないとフラストレーションをためるのは全世界共通だと思う。だけど、山形のサポーターはあたたかい。サポーターも一緒に苦しい状況を乗り越えていただけたら」と勝ちきれない歯がゆさを口にしながら、サポーターの支えが必要だと訴えた。