G大阪DF藤春広輝(27)が試練の再出発を果たした。ホーム神戸戦は0-1で敗れ、4位に転落。藤春はリオ五輪から帰国後、初めてのJ1で後半からピッチに立った。オーバーエージ(OA)として臨んだ五輪では、1次リーグのコロンビア戦でオウンゴールを献上するなど不本意な結果に終わった。今度は再びA代表の座を目指して、スタートを切った。

 後半から藤春に出番が回ってきた。1点を追う展開。オウンゴールした五輪1次リーグ第2戦コロンビア戦以来の試合だった。「正直、最初はビビりながらだった」。ピッチに入るまで過度な緊張感に襲われた。

 後半4分、FWアデミウソンから左サイドでパスを受けると駆け上がった。加速して左クロスを放つ。味方に渡らなかったが「チャンスを作れた。決められなくてもったいなかったが。五輪を経験して(プレーに)余裕がでていた感じはした」。俊足を生かすたび、自分を取り戻していった。

 長谷川監督から出場可能か確認された。本当は精神的にきつかった。五輪の映像は見返すことができない。「でも、ここからはい上がっていかないと」。指揮官も「本人は不安があったみたい。ここからは吹っ切れてプレーできるでしょう」と背中を押した。

 G大阪は第2S優勝へ向けては痛い敗戦を喫した。それでも、首位とは勝ち点5差のまま。逆転優勝を信じて、立ち直った藤春がG大阪を引っ張っていく。【小杉舞】