J2山形が来季J1の清水MF本田拓也(31)を完全移籍で獲得することが9日、分かった。近日中に発表される。08年には北京五輪代表に、11年には日本代表にも選ばれたボランチを獲得し、中盤を再編する。

 元日本代表MFの本田が、山形の中盤の核になる。長短を蹴り分ける正確なパスに加え、豊富な運動量と鋭い読みを武器に高いボール奪取能力が光る。今季清水では5月末の練習中に右膝内側側副靱帯(じんたい)を損傷し19試合出場にとどまったが、リーグ終盤に復帰してJ1昇格に貢献。今季限りで清水との契約が切れる本田にラブコールを送り、獲得が実現した。

 法政大出身の本田は08年に清水へ加入。北京五輪を経験し、11年には鹿島に移籍したが13年途中から古巣に戻り15年は主将に就任した。プロ生活をスタートさせた清水を退団しての山形入りは、相当な覚悟を持っての決断だった。猛練習を課す木山隆之新監督(44)はハードワークを求めており、もう1度体を鍛え上げて、10年に記録した自己最多31試合を超える出場を目指す。

 ブラジル人トリオに加え、元日本代表FW大黒も退団。チームは過渡期を迎える中、本田を軸に据えて再建モードに突入。来季こそ再び、J1昇格へひた走る。