G大阪のMF井手口陽介(20)が「俊輔封じ」で史上初の3連覇へ前進する。今日24日の天皇杯準々決勝横浜戦(日産ス)に向け23日、チームは万博練習場で非公開調整を終え横浜入り。Jリーグのベストヤングプレーヤー賞(新人王)に輝いた井手口は、先発が濃厚になった。横浜は故障で長期離脱していたMF中村俊輔(38)が復帰する見通し。元日本代表10番との対決に向け「ガツガツ行く」と宣言した。

 怖い者なしの20歳。最終調整を終えた井手口は、ギラギラ目を輝かせた。横浜は左膝負傷で長期離脱していたMF中村が復帰する見通し。相手の司令塔を封じ込めることが、勝負のカギになる。それを知っているからこそハッキリ言った。

 「FKを与えないのはもちろんだけど、それとガツガツ行かないのとは、またわけが違う。反則に気をつけながらも(体を)寄せるところは寄せる。自由にはさせないようにする」

 4月2日のリーグ戦は、中村に鮮烈なFKを決められて1-2で敗れた。その試合に井手口はフル出場。目の前でたたき込まれたからこそ、得点の残像とともに悔しさが残る。年の差18歳。井手口が生まれた翌97年に、中村はプロの扉を開いている。経験も実績もはるかに上の相手だが、ベストヤングプレーヤー賞に輝き、A代表入りも果たした伸び盛りの男に気後れなどない。

 勝てば史上初の偉業にまた1歩前進する。長谷川監督は「俊輔の一発は脅威」と警戒しながらも「3連覇がかかっているのはうちしかいない」。MF遠藤も「タイトルを取りたい」と言い切った。元日の決勝は本拠地吹田Sで、大阪開催は60年度以来になる。今季はリーグ年間4位で、ルヴァン杯も準優勝。最後に初春の頂点に立つために、若い力も大切になる。【益子浩一】