鹿島が横浜を下し、リーグとの2冠に王手をかけた。

 序盤は横浜が攻勢に出た。前半11分、MFマルティノスが左からのクロスにペナルティーエリア内で左足で合わせたが、GKの正面を突いた。続く15分にはカウンターからマルティノスが右ペナルティーエリア内へ侵入。マイナス気味のクロスに左から走り込んだMF斎藤学が右足ダイレクトでシュートも、大きく枠の上だった。

 34分からの1分間は激しい攻防に。横浜が斎藤の中央突破を糸口に、MF前田がGKをかわしてシュートも、ゴール前に飛びこんだ鹿島DF山本脩斗の体に当たって先制はならず。鹿島もカウンターで一気にゴール前まで迫ったが、ペナルティーエリア内からMF柴崎岳が右足で放ったシュートはGK榎本哲也にセーブされた。さらに横浜がカウンター攻撃。マルティネスがペナルティーエリア内で落としたボールを正面からFW富樫敬真が右足でシュートも、枠をとらえられなかった。

 激しく攻防が入れ替わる中、先制点は鹿島だった。41分、柴崎の右からのクロスにペナルティーエリア内左からFW土居聖真が体勢を崩しながら頭で合わせ、ゴール左へ押し込んだ。鹿島の1点リードで、前半を折り返した。

 後半に入って横浜は18分にMF中村俊輔を投入。いきなり左CKでチャンスを演出したが、得点にはつながらなかった。24分にはペナルティーエリア内で複数人が倒れ込んでボールの取り合いになるなど、激しく意地がぶつかりあう。迎えた25分、横浜がペナルティーエリア外の左角付近でFKを獲得した。中村のFKのこぼれ球にDF金井貢史が頭で合わせて同点かと思われたが、オフサイドの判定でゴールは認められなかった。

 横浜の不満が収まりきらないままプレーが再開された直後の28分。ペナルティーエリア内に攻め込んだ柴崎の右クロスに、途中出場のFW鈴木勇磨が合わせて追加点を挙げた。横浜に傾いた流れを断ち切るゴールで、大きく勝利をたぐり寄せた。

 横浜は終了間際、左から攻める。中村が再三クロスやCKを上げ、斎藤がドリブルでペナルティーエリア内に切れ込んでシュートを放つ。だが、いずれもゴールをこじ開けることはできなかった。鹿島の試合巧者ぶりが際立つ90分間だった。