元東京コンビが得点力倍増を狙う。仙台は20日、鹿児島県さつま町での1次キャンプ(3日目)で練習を行った。東京から完全移籍で加入したFW平山相太(31)は「強い覚悟」で移籍を決断し、必死に鍛練を積んでいる。チームの攻撃起点となるMF三田啓貴(26)とは一昨年までチームメートであり、お互いのプレースタイルを理解し合っている。平山の加入を三田は「得点10割増し」と太鼓判を押した。

 元日本代表FWは必死の覚悟で仙台に来た。「この1年は自分のサッカー人生ですごい大事だと思う」。平山といえば、国見高時代の印象が強い。選手権では通算17得点し、2年連続で得点王に輝いた。近年はケガに苦しんでいるが、あの輝きを仙台でも、と期待は大きい。本人も「ゴール前で特徴を生かせれば。チームの目標(トップ5)に近づくために2桁得点」と気合十分だ。

 高さが、仙台の大きな武器になる。昨季仙台の2トップを担った、185センチMFハモン・ロペス(27)が柏に移籍。敵陣での空中戦となれば、190センチの平山が最適。平山も「クロスに合わせたい。相手ボックス内で常に駆け引きしてゴールを狙う」と役割を理解。福永泰コーチ(43)は「高さが強みなわけだから、生かせる状況をつくりたい」と攻撃への好影響をもくろむ。

 その相棒は三田が務めよう。移籍前に平山から事前に相談を受けるなど、仙台入りにもひと役買っており「相太のようなタイプを欲しているし、高さを生かしたい」。三田は東京時代、平山のヘディングの強さを体感し「とにかく打点が高い。(J2名古屋の199センチFW)シモビッチ級だ。ゴール前に張っているし、決定機を外さない」と評した。

 その武器を生かすのは、司令塔役のボランチ三田の腕の見せどころといえる。理想はハイクロスの供給だ。昨季はハモンが裏への抜けだしを得意としたため、そこに焦点を当てていた。今季は平山が入り、「サイドからガーンと(上げれば)やってくれますよ。得点力は10割増しですよ」。笑顔で、興奮気味に語った。今季の攻撃力は、元東京のコンビネーションで爆発へつなげる。【秋吉裕介】