鹿島MF柴崎岳(24)が28日、スペイン1部ラスパルマス移籍に向け、スペインに出発した。

 移籍準備のため、チームのタイ遠征(22~27日)には同行せずに日本に残って調整していたが、ついに渡欧。近日中にも現地で契約を結ぶ見通しだ。

 スペイン1部での契約となれば、日本人10人目となる。01年FW城彰二(バリャドリード)を皮切りに、FW大久保嘉人(マジョルカ、現東京)や中村俊輔(エスパニョール、現磐田)ら日本代表の主力級でもレギュラー定着に苦しんだ鬼門のリーグ。今季、セビリアMF清武弘嗣(27)は出番に恵まれていないが、エイバルMF乾貴士(28)がスタメンに定着する活躍をみせている。

 ラスパルマスは上位進出を目指し、今冬の移籍市場で攻撃的な選手の獲得に積極的。ハンブルガーSV(ドイツ)からクロアチア代表で司令塔のMFアレン・ハリロビッチ(20)を期限付きで獲得。柴崎にとっても、先発出場へのライバルは多い。

 柴崎は15年からクラブ幹部に本格的な欧州移籍の希望を伝えていた。昨年もドイツ1部のクラブなどが興味を示していたが、正式オファーが届かずに断念。親しい関係者には「鹿島でJリーグのタイトルをとってから行く」と強い決意も明かし、昨季はJ1と天皇杯を制した。12月のクラブW杯でも決勝のRマドリード戦(スペイン)で2得点を挙げ、世界王者を苦しめる原動力にもなった。次はスペインでの活躍と日本代表復帰が目標となる。