磐田に新加入したFW川又堅碁(27)が、J2名古屋から移籍後初ゴールを決めた。鹿児島キャンプ5日目の30日、鹿屋体大との練習試合(30分×4本)に1トップで先発。同点で迎えた2本目の21分、チームに先制点をもたらした。

 MF太田吉彰(33)の右からのクロスにファーサイドで反応した。ボールを受け、左足のシュートフェイントでDF1人をかわすと、シュートブロックに入った2人目DFの股を右足で抜き、ネットを揺らした。「落ち着いて決められたことは良かった」。そう話す笑顔に充実感を漂わせた。

 その後も、積極的に周囲とコミュニケーションを図りながら60分間プレーした。新チームでの連係に手応えを感じてか、ほほ笑みながら意見を交わす場面もあった。「実戦的なことは、練習試合以外ではまだあまりやっていない。その中で(自分の動きを)見てもらえていると思います」。

 一方で放ったシュートは2本と少なかった。得点以外の好機は、MF中村俊輔(38)のスルーパスに抜け出した1度だけで満足はしていなかった。「疲労もあって難しい部分はあったけど、疲れている時にこそ伸びる可能性があると思う。自分は(開幕までに)少しでも力をつけたい」。試合後も筋力トレーニングに励んだ。ジュビロの新エース候補は、チームと自分のために、体をいじめ抜いていく。【前田和哉】