新主将がこん身のPK!! アウェーの清水エスパルスが1-0でサンフレッチェ広島を下し、今季初勝利&483日ぶりのJ1勝利を飾った。今季から主将に就任したFW鄭大世(33)が後半8分、DF松原后(20)が獲得したPKを確実に決めた。この先制点を守りきり、今季J1に昇格した3クラブで最初の白星を挙げた。
クールだった。後半8分。PKキッカーとなった鄭はゴールを見つめながら助走を取った。仲間の顔を確認するように一瞬だけ振り返り、ボールを置いてから約50秒。思い切りよく右足一閃(いっせん)。ゴール正面やや左に突き刺した。
今季のチーム初得点の瞬間となったものの、新主将にはガッツポーズも、笑顔もなかった。「ずっと冷静だった。練習の方が緊張するくらい。落ち着いていられた」。清水にJ1復帰後初勝利をもたらした今季初ゴールは開幕前のPKミスから生まれた。
鹿児島キャンプで組まれたJ1柏との練習試合だった。キャプテンマークを巻いた鄭はPKを蹴った際、相手GKに好セーブされた。失敗を悔やみ、全体練習後に居残りPK練習に取り組んだ。「ミスの原因を突き止めた。(蹴るまでの)長い間もルーティン通り。ちゃんと足に当てれば、GKには取られない」。確信を持って蹴ったこん身のPKが勝利を呼び込んだ。
同29分には、コンディションが上がらずに細かいミスが続くと、自らベンチに交代を要請した。スピードが持ち味のFW北川航也(20)と交代で退いた。開幕戦の神戸戦は全く決定機を迎えないまま0-1で敗れ「J2降格が頭をよぎった」との危機感があった。チームの勝利を優先し、ピッチから下がった。
J優勝経験のある広島に、アウェーで完封勝利。J1では、2015年11月7日アウェー山形戦(2-1)以来483日ぶりの歓喜となる。「勝つことで自信が得られる。広島は遠かったけど、勝ち点3を持って帰れることはすごく大きい」。頼れる新主将が、次節以降も清水をけん引する。【保坂恭子】



