浦和レッズが上海上港(中国)に2-3敗れて3連勝を逃し、F組2位に後退した。移籍金約74億円で話題になった元ブラジル代表FWフッキなど“爆買い”した相手の圧力に苦しんだ。昨季リーグ最少失点のチームが、今季公式戦7試合で無失点は1度だけ。攻撃力を高める試行錯誤を重ねる過程で、2点を奪い返した。

 浦和がタレント集団に持ち味を奪われた。移籍金約86億円で今季加わったブラジル代表MFオスカルら強力な攻撃陣に押される。ぬれて滑るピッチに苦しみ、生命線のパス回しにずれが生じた。後半7分にはフッキのドリブルにMF駒井がはじき飛ばされるなど3人が振り切られて得点され、3点を先行された。ペトロビッチ監督も「相手の方が勝利に値するプレーをした」と力負けを認めた。

 年間勝ち点1位だった昨季は高い位置でプレスをかけてボールを奪う戦いでリーグ最少28失点。今季は7試合ですでに13失点。指揮官が掲げる「試合の大半を相手陣内で過ごす」という目標に向かい、さらにプレスは前がかりになった。失点増は、進化を目指す過程で与えられた試練。DF遠藤は「(前から奪いに)いくところとブロックを敷くところの判断はしっかりできるように」と自分に言い聞かせるように話していた。

 ただ前半ロスタイムにペナルティーエリアを飛び出したGK西川が相手にパスを渡し、無人のゴールに決められるなど、3失点はミスも絡んだ。終了間際にはFW興梠が後ろから相手を倒して一発退場と、後味の悪さも残した。上海上港とは4月11日に再戦。悔しさはホームで晴らす。

 ◆ACL アジア・チャンピオンズリーグ。32チームが出場し1次リーグは8組に分かれ、各組総当たり(ホームアンドアウェー)で実施。上位2チームが16強による決勝トーナメントに進む。優勝すれば12月にUAEで開催のクラブW杯に出場できる。日本勢の優勝は08年G大阪以来なし。