<J1:新潟1-2鹿島>◇第31節◇2日◇デンカS

 3位鹿島が11位新潟に敵地で逆転勝ちし、優勝争いに踏みとどまった。

 豪雨の中で始まった試合はホームの新潟が主導権を握った。前半13分、DF舞行龍がゴール正面から切り返して右足シュート。鹿島DF昌子の足に当たったボールは、左ポストとクロスバーの角をたたき、惜しくも得点にならなかった。

 逆転優勝へ負けられない鹿島も反撃。21分、オーバーラップした日本代表の右サイドバック西が地をはうミドルシュートを打ったが、わずかに右へそれた。

 一方の新潟も29分にチャンスをつくる。MF山本が最終ラインの裏へ抜けてシュートを放ったが、鹿島GK曽ケ端の体を張ったセーブに阻まれた。さらに35分、MFレオシルバが周りを生かした連係でセンターサークル付近からペナルティーエリアまで攻め上がり、左足でシュート。ここも曽ケ端に防がれたが、新潟がいい形で攻め続けた。

 すると43分、新潟が均衡を破る。2トップの指宿に縦パスが入ると、右前方の鈴木へワンタッチパス。鈴木もワンタッチでDFをかわしてGKと1対1となり、左足でボールを浮かせてゴールへ流し込む。新潟1点リードで折り返した。

 追う鹿島は勝負に出る。後半7分、MFカイオとMF中村を同時投入。早々にカードを2枚切って攻勢を強めた。これが当たる。中村が出場から10分後に同点弾を奪った。MF小笠原の右FKにファーサイドでダイレクトシュート。右足でゴール右に流し込んだ。

 その後は一進一退の展開となった。新潟は40分、流れるような連係からMFレオシルバがGKと1対1になったが、ゴール上に外してしまう。すると1分後に鹿島が勝ち越した。右サイドの西が、正面にDFがいても構わず右足を振り抜くと、GK守田の右手をはじき飛ばしてゴール左に突き刺さった。終盤に生まれた起死回生の1発だった。

 試合前までリーグ戦の通算対戦成績は7勝7分け7敗の五分だったが、鹿島が勝ち越し。鹿島が首位浦和との勝ち点差を暫定4差に縮め、優勝の目を残した。