G大阪は遠藤を外さない。30日の東京V戦(万博)に向けて28日、非公開練習を実施。西野朗監督(52)はW杯アジア3次予選バーレーン戦で先発から外れたMF遠藤保仁(28)への絶対的な信頼感を強調した。開幕ダッシュには失敗したG大阪だが、絶対的存在の遠藤を中心に据えた布陣で、3年ぶりのリーグV奪還へ反撃に出る。今後の路線変更を打ち出した岡田ジャパンとは対照的な道を進む。

 岡田ジャパンの方針は変わっても、G大阪の軸はぶれない。西野監督は東京V戦に向け、2列目での出場が多かった遠藤を、本人が最も得意とするボランチで起用する方針を明かした。

 「ボールがたくさん入るところの方があいつのスタイルを出しやすい。多少キレがなくても、著しく悪いわけじゃない」。代表で約1年9カ月ぶりにベンチスタートとなった大黒柱に、あらためて厚い信頼感を表明した。

 巧みにパスをさばける遠藤がいなければ、G大阪の攻撃サッカーは成り立たない。昨季はG大阪でただ1人リーグ全34試合にフル出場したほど、代えの利かない存在だ。今季リーグ戦は開幕から1分け1敗とつまずいたが、遠藤の貢献度は高い。試合終盤は前線に近い位置へ動かすほど、最大限の配慮をしてきた。

 東京V戦から4月30日大宮戦まで、ACLを含めて1カ月間で9試合の超過密日程になるが、遠藤を中心に乗り越える。バーレーン遠征帰国から一夜明けたこの日、遠藤は非公開紅白戦に参加した。

 バーレーン戦は34分間の出場で「少ししか出てないから、疲れはほとんどない。選手である以上90分ピッチに立ちたい」と宣言した。「代表は代表。置かれる立場も違うので」とG大阪を背負って立つ自覚は変わらない。絶大な信頼に応えるため、リーグ初勝利をもたらす。【北村泰彦】