<J1:千葉3-2札幌>◇第25節◇20日◇札幌厚別

 千葉MF谷沢達也(23)が土壇場で起死回生の一発を決めた。ドローが濃厚な2-2の後半ロスタイム。ゴール右の位置で「(ボールが)きてほしい」と準備すると、MF下村のヘッドのこぼれ球が足元へ。札幌DF西嶋のタックルを冷静にかわし、左足で押し込んだ。ユニホームをめくり、鍛え抜かれた腹筋を見せるように、ピッチを走り回った。「苦しい試合で勝てたのは良かったと思う」。

 この試合ばかりは「スーパー谷沢」だった。前半37分、独特のリズムで抜け、1対1の決定的な場面をつくるなどチーム1位のシュート4本を放ち、攻撃の中心的存在だった。今季、入団して5年間所属した柏から千葉に移籍。柏石崎監督は「良い谷沢、悪い谷沢がいる」と日ごろから話し、割合は3対7と計算できない選手だった。しかし、プロ初の移籍でどん欲に結果を求めるプロ意識などが変わり、今ではコンスタントに活躍できる自負がある。

 谷沢が「思ったより早く(16位磐田に)近づけた。ここ数試合が大事になる」と言う。2連勝のチームは16位磐田と勝ち点2差に肉薄し、エンジンがかかってきた。