<J1:鹿島2-0大宮>◇第26節◇1日◇カシマ

 鹿島は大宮を下し、8月16日以来の首位に浮上した。

 久しく鞘(さや)の中で眠っていた伝家の宝刀が切れ味を見せた。前半37分。MF中後が右後方からゴール前にFKを上げる。ターゲットはセットプレーの得点源、DF岩政、MFダニーロではない。マークが薄いファーで待ち構えたFWマルキーニョスが飛び上がって頭を合わせた。前半21分も中後の右FKが起点。8月16日東京V戦で小笠原の左CKから岩政がヘッドで決めて以来、沈黙していた武器から得点が生まれた。

 小笠原故障離脱で新キッカーに指名された中後は「あの距離は得意。狙っていたところに蹴れた」と胸を張った。前日9月30日。オリベイラ監督はセットプレーの練習を入念に行った。ゴール前の選手の位置を細かく修正。通常は攻撃に加わらず守備に備えるMF青木も前節でのミドル弾を買われ、ペナルティーエリア付近に配置した。プレーよりも指示の時間の方が長かった。

 昨年はセットプレーが得点源の1つだった。全60得点中、10得点(CK、FKからのアシスト、直接FK)が生まれた。特に破竹の連勝を収め、奇跡の逆転優勝につなげた残り5試合は11得点中、3得点。だが今季はこの試合前まで47得点中、5得点だった。ACLを並行して戦いメンバーを毎試合のように入れ替えたため、呼吸が合わなかったのも一因。そして岩政は「セットの精度が低かった」とも振り返っていた。

 V戦線終盤に来てよみがえったセットプレー。「次の試合でもセットは大事になる」(中後)。鹿島が強力な武器を携えて、46日ぶりに奪った首位の座を守り抜く。【広重竜太郎】