名波のためにも3連勝だ!
J1磐田が13日、MF名波浩(35)の現役引退を発表した。14日に会見を行う。磐田の黄金時代を支え、日本を98年W杯フランス大会に導いた立役者が、J1残留争いが最終局面を迎えるリーグ3戦を残して、スパイクを脱ぐことを決断した。クラブ最大級の功労者の引退に報いようと磐田イレブンは一致団結。ハンス・オフト監督(61)以下、全員が23日の柏戦(ヤマハ)からの「有終の美」を誓い合った。
名波のために、非常事態の磐田が一丸となる。今季限りの引退が明らかになったこの日も、名波の表情はいつもと変わらなかった。黙々と練習に打ち込み、左足で華麗なパスを出し続けた。積極的に、一回り以上も若い後輩たちにアドバイスを送った。練習に対する真摯(しんし)な態度、献身的な姿は昔も今も変わらない。オフト監督は「私は彼を必要としている。健康である限り、残りの3試合と天皇杯は出てもらう」と頼もしそうに断言した。
95年の入団から無我夢中でプレーしてきた。気がつけば、J1で年上の選手は、もうFW中山と清水商時代からの1つ先輩のMF藤田(名古屋)しかいない。自身と深い関係にある2人と競い合い、刺激し合って輝いてきた。中山は「相談はしていなかったけど、ちょくちょく報告を受けていた」と寂しそうに話した。名波も公の場で初めて「磐田のユニホームを着て終われるのは幸せなこと」と引退について口を開いた。
「名波引退」の年をJ2降格年にするわけにはいかない。2歳年下のDF鈴木は「次とその次で残留を決めて、最後の試合はピッチに立たせて、いい思いで終わらせてあげたい」と全員の思いを代弁した。左肩痛で戦列離脱中のMF西は「性格もプレーも分かってもらえた。名波さんのためにもプレーしたい」。愛弟子たちの熱い思いは名波の願いでもある。「そういう雰囲気になってくれればいいね」と笑顔で話した。残り3戦、1つになった磐田は、もう負けない。【栗田成芳】



