<J1:G大阪1-0浦和>◇第33節◇29日◇万博

 ドイツ2部フライブルク元監督フォルカー・フィンケ氏(60)の浦和新監督就任が、30日にも決定する。浦和は29日のアウェーG大阪戦で0-1と惜敗し、最終節を待たずに6年ぶりの無冠が決まった。試合後、藤口光紀社長(59)は、浦和視察のために来日中のフィンケ氏と近日中に直接会談し、正式オファーを出す意向を示した。

 優勝の可能性が完全消滅した浦和が、来季へ動きだす。0-1でG大阪戦に敗れた後、藤口社長は来季監督就任が決定的なフィンケ氏と会談することを明言した。「こういう事態になったら、話さないといけないでしょう」と、30日にも正式オファーを出す。今月20日から来日して浦和視察を続ける同氏も、監督就任を正式に受諾する見通しだ。

 そのフィンケ氏の「御前試合」で、6年ぶりの無冠が決まった。前半44分に敵FW山崎が退場し、浦和に追い風が吹いた。両サイドからのクロスで何度も決定機を演出したが、G大阪の徹底した守備を崩せなかった。逆に敵DFの挑発に乗ったFWエジミウソンが後半20分に乱暴行為で退場すると同39分に自陣でボールを失って痛恨の失点を喫した。FW田中達は右足首痛と左太もも裏の違和感で交代し、試合直後にGK都築とFWエスクデロが意見の相違から衝突…。まさにボロボロのV逸となった。

 最終節を待たずしてのリーグ終戦は03年以来、5年ぶり。DF坪井は「今はいろいろな問題がある。問題がいっぱいあることはみんな分かっている」と唇をかんだ。暫定5位まで順位を下げ、来季ACL出場権獲得となる3位以内も危うい。DF闘莉王は「もう1回ゼロからでいい。オレたちには良い薬」と猛省した。この日は来季の強化トップのポストに就任する信藤健仁氏(48)も視察。浦和はフィンケ新監督誕生を契機に再出発を図る。