名古屋FW杉本恵太(26)が鹿児島・指宿キャンプ5日目の8日、鹿屋体大との練習試合で今季のチームの第1号ゴールを決めた。新加入のFWダビ(24)との連係で得点奪取。今季先発奪取を目指す快足FWが日本代表FW玉田圭司(28)不在の間に幸先良く、猛アピールした。練習参加している中京大中京FW宮市亮(16)のゴールもあり、試合は3-0で快勝した。

 今季チーム第1号は杉本の右足から生まれた。初の対外試合を控えた前日7日「ボクが決めます」と宣言。「狙っていたので、決まってホッとした」と振り返った予告弾は、前半3分に早々と生まれた。

 2トップでコンビを組んだ新加入のFWダビが、相手DFに迫力満点の猛プレスを掛けた。相手DFが処理を誤り、ボールが横にこぼれたところに、杉本がいた。「あそこにボールがこぼれてきそうなスペースがあった」。右足で流し込むだけでいい簡単なゴールだったが、ストライカーの嗅覚(きゅうかく)をフルに発揮して奪った。

 得点後はダビと喜びを分かち合った。前夜、ダビも理解できる簡単な日本語で互いのプレースタイルについて語り合った。早速相性の良さを証明した。

 昨季は後半途中に登場し相手にとどめを刺す「スーパーサブ」の地位を確立した。ただリーグでは出場33試合中先発は7試合。チームのために快足を飛ばしたが、どうしてもプレー時間は限られてしまう。オフにポルトガルでの練習参加で刺激を受け「やっぱり途中からじゃなく、最初から出たい」と先発奪取を今季のテーマに掲げた。ダビ、玉田というJ屈指の2トップの一角崩しを狙ってキャンプ序盤から飛ばしている。

 最大にして最強のライバルとなる玉田は日本代表に招集され、チーム始動からずっと不在。「タマさん(玉田)がいない分、ある意味、ダビとの連係を取るチャンス」。まずは、オニならぬ、タマの居ぬ間のアピールに成功した。【八反誠】