浦和DF田中マルクス闘莉王(27)のJリーグ開幕鹿島戦(7日、カシマ)出場が3日、微妙な状況となった。先月末の練習試合で右太ももを負傷して治療を続けていたが、この日もさいたま市内のクラブハウスで行われたミーティングと全体練習に参加できなかった。チームが完全休養する4日に単独での練習を予定。あくまで鹿島戦を視野に調整を続けるが、残された期間は3日間。回復が遅れれば、開幕戦を欠場する可能性も出てきた。

 V奪回のシーズン開幕へ臨戦態勢に入った浦和に、大黒柱の姿はなかった。チームはこの日、フィンケ監督就任後最長のミーティングを約30分間実施。今季の練習試合12戦を振り返りながら、修正点などを確認し合った。だが、闘莉王は顔を出すことなく、午前と午後の全体練習も不参加。2部練習の合間にクラブハウスを訪れ、医療スタッフの付き添いでランニングなど軽く体を動かしただけで、ピッチを後にした。

 2月28日に非公開で行われた大宮との練習試合で、右太ももに違和感を覚えた。戦列を離れるほどの重傷ではないが、現段階で鹿島戦に万全の状態で臨める保証はない。闘莉王は「開幕戦に間に合う?

 分からない。監督に聞いてください。オレの方からは言えることはないです」といつになく口が重かった。

 昨年末に左ひざを手術したが、年明けから調整スピードを一気に上げ、2月上旬には日本代表にも復帰した。故障後、闘莉王と今後の調整法を話し合ったフィンケ監督は「彼には今シーズンの土台を築く機会が、十分にあったわけではない」と分析。「5日の練習には戻ってくれるのではないか」とあくまで希望的観測で合流期限を示すのにとどめた。明日は報道陣をシャットアウトして「鹿島対策」の戦術を煮詰める重要な非公開練習となる予定で、参加できなければ開幕アウトの可能性が高まる。

 昨季チーム最多タイの11得点を挙げた闘莉王は、攻守両面の柱。昨季王者との開幕戦で不在となれば、チームにとっても痛い。4日には、休日を返上して個人練習を行う予定。開幕まで残された期間は3日。闘将が試練に立たされた。【山下健二郎】