<J1:大宮3-0大分>◇第10節◇5日◇NACK

 社長の「熱唱」が、大宮の連敗を止めた!?

 4連敗中の大宮が、6連敗中の大分との「連敗決戦」を3-0で制した。「歌うとチームは負けない」という不敗神話を持つ渡辺誠吾社長(53)が、ハーフタイムでスカパーの生中継に出演。ピッチ脇でJ2時代からのチーム応援歌「愛してるぜ」を熱唱した。

 同社長は07年12月1日の川崎Fとの最終戦で、熱唱デビューした。以来、開幕戦やホーム最終戦などの節目の試合前に、会場で応援歌を独唱してきた。今季の清水との開幕戦を含めて、社長が歌った試合は2勝2分けと不敗。「(最近は)社長が歌うと負けないという話が出ていました」とクラブ関係者は話す。

 これまでは「無敵大宮」という応援歌を歌っていた。しかし、この日は「今日はこの曲しかないでしょう」と、もう1つの「愛してるぜ」にした。実はこの歌は2日に亡くなった忌野清志郎さんの代表曲「雨上がりの夜空に」がベースとなっていた。鎮魂の思いも込めた熱唱だった。

 チームも活気づいた。今季J2鳥栖から加入したFW藤田が、前半21分にMF内田の右クロスを頭で合わせて、J1初ゴールを決めた。同26分にはMF藤本、さらに同33分にはやはりJ2湘南から加入したFW石原が、今季4得点目を決めてダメ押し。大分を終始圧倒した。

 試合後、渡辺社長は「やっぱり試合前に歌わないとね。(前半に3点入った)今日は後出しじゃんけんみたい」と照れ笑いを浮かべた。「社長が歌って勝つなら、歌ってほしい」と藤田。選手の要望に「時間をつくってもらえたら、これからも歌わせてもらいます」と社長は約束した。【村上幸将】