J2仙台FWマルセロ・ソアレス(27)が、クラブ史上最強の「助っ人ストライカー」を目指す。4月26日の熊本戦で初ゴールを決めてから9戦7発。約78分間に1点の割合で得点しており、現時点で01年にFWマルコスが記録した112分に1点を上回る決定力を誇る。3日のホーム岡山戦では「来日初のハットトリックを狙いたい」と宣言。最強外国人の称号を得るべく、ゴール量産態勢に入る。

 この男の存在感が増してきた。ここまで18試合中13試合に出場したソアレスだが、フル出場は5月16日の徳島戦だけ。出場時間はわずか548分だが、7点を稼いだ。約78分間に1ゴールのペース。現時点では、01年に34得点でJ2得点王に輝いたFWマルコスを超える決定力だが「マルコスを超える?

 彼の歴史は彼のもの。自分の歴史を仙台に残したい」と自然体だ。

 序盤はチームにフィットせず苦しんだ。キャンプ中盤に故障し別メニュー調整が続き、開幕2戦目の岡山戦(3月15日)はベンチ入りもできなかった。だが、練習でMF梁やFW平瀬から指導され、徐々に連係も浸透。手倉森監督も「裏への飛び出しとか、試合や練習で修正してきた成果。周りもソアレスのスピードを生かそうとしてくれる」と溶け込んだことを認める。

 第10節の熊本戦で来日初ゴールを決めると、一気にスイッチが入った。ここまで1試合2得点が2回。3日の岡山戦では、来日初のハットトリックを狙う。ブラジル・サンタカタリーナ州のクラブに所属した02年に、公式戦で5得点したことがあるそうで「3点どころか5点も取った。自分1人じゃ何もできないけど、力を合わせれば日本でもハットトリックはできるはずだ」とウインクした。

 ようやくの本領発揮にも周囲は満足していない。FW平瀬は「連係は、まだまだ。もっと時間をかけないと」と厳しいが、結果を出し続けて本当の信頼を勝ち取るつもりだ。【木下淳】