コンサドーレ札幌が移籍新ルールに対応した「2段階条件提示策」で戦力流出を食い止める。日本協会は19日の理事会で、移籍金撤廃と契約満了選手との交渉解禁日の前倒しを定めた新ルールを正式承認した。新規定では10月1日から他クラブとの契約交渉が解禁される。札幌は9月中に来季戦力として不可欠な選手数人にまず条件提示。最終期限となる11月30日に行う従来の条件提示との“合わせ技”で引き抜きを防ぐ。

 「何人になるかは未定だが、来季構想に不可欠となる選手数人には先(10月1日以前)に金銭面も含め条件提示する」と三上大勝強化部長(38)。来季J1、J2にかかわらず柱として残留を求める数人を事前に引き留め、11月末の最終期限までに残り選手に条件提示する。従来、11月末に一斉に行っていたクラブからの意思表示を一部前倒しして、中心選手の他クラブ流出を回避するのが狙いだ。

 懸案事項は昇格戦線真っ盛りの10月の時点で来季構想に入っている選手と、未確定の選手と意識の差が生まれる点。それでも同部長は「この状況は選手全員に理解してもらっている」と説明済みだという。ある若手選手は「もし(9月までに)伝えられなくても、それだけ自分が力不足だと思って頑張ればいい」と言う。条件提示に時期的な格差を設けることでチーム内の競争意識向上にもつなげていく方針だ。