<J1:大宮3-1鹿島>◇第24節◇29日◇NACK

 首位鹿島は今季最多の3失点で、リーグ10度目の対戦で初めて大宮に敗れた。

 勝ちきれない王者の現状を象徴するかのような敗戦だった。試合後、鹿島イレブンはサポーターから今季最大のブーイングを浴びせられた。リーグ戦で今季初、08年10月26日の東京戦以来10カ月ぶりの3失点で完敗。DF岩政は「結果どうこうより内容が良くない」と厳しい口調で話した。

 集中が途切れた一瞬が試合を決めた。FWマルキーニョスが接触プレーで倒れ、2分間試合が止まった直後の前半4分に先制点を許した。DF内田が「最初の1点はいらなかった。マルキ(の故障)でプレーが止まって、こういう時にやられると思ったらやられてしまった」と振り返った痛恨の失点となってしまった。

 23日の東京戦で快勝し、不振から脱出する糸口を見つけられたかに見えたが、そうはいかなかった。オリベイラ監督が「前半の失点で選手が焦った」と分析したように、中盤でミスを連発して自滅する試合巧者らしからぬ姿をさらした。

 「事故」も加わった。FWマルキーニョスが試合後にさいたま市内の病院で精密検査を受け、右鼻骨及び右ほお骨骨折で全治3週間と判明。鼻骨の再建手術は終えたが、クラブ関係者は「(9月12日の)川崎F戦に間に合うかは分からない」と話し、上位決戦への出場は微妙となった。

 後半ロスタイムにMF野沢が1点を返したが焼け石に水。DF内田は「自分たちならもっとできると思っている。次(川崎F戦)が大事でしょ」と気持ちを切り替えた。蛇行を続ける鹿島は、史上初の3連覇へ向けて重要な一戦となる川崎F戦までに、再生を図るしかない。【菅家大輔】