<J1:磐田0-0鹿島>◇第29節◇17日◇ヤマハ

 絶不調に陥っている王者鹿島が苦戦の末に勝ち点1を手にした。シュート数は磐田の半分の10本。前半は猛攻にさらされながら、つかんだドローで連敗を5で止め、DF岩政は「この時期だから、負けるのと引き分けでは全然違うと思う」と冷静に振り返った。

 厳しい戦いだった。MF小笠原を日本では3年2カ月ぶりに攻撃的MFに上げ、MF中田を守備的MFに配置する「緊急シフト」も前半は不発。中盤でパスミスが多く、2カ月ぶりの先発のFW大迫も得点に絡めず、磐田ゴールの枠に飛んだシュートはゼロだった。

 後半開始からFW田代、同19分からMF増田らを投入して流れを変えたが、得点は奪えず。それでもDF伊野波が「これだけ攻められてゼロで無失点のドローは、精神的に大きい」と話したように、5連敗中に13失点した守備陣が20本のシュートを浴びながら完封したのは収穫だ。

 首位川崎Fと勝ち点差1の2位の座は死守した。オリベイラ監督も「終盤に上位対決があるので何が起こるか分からない」と言った。8月23日の東京戦(3-1で勝利)以来、55日ぶりの勝ち点が再浮上の糸口になるか。【菅家大輔】