<J1:G大阪1-1京都>◇第11節◇14日◇万博

 2014年W杯ブラジル大会のエース候補だ!

 G大阪のFW平井将生(22)が、リーグ“5戦連発”を決めた。W杯で中断していたJリーグが約2カ月ぶりに再開。G大阪は今季急成長中の平井が後半2分に右足で先制点を挙げた。故障離脱した期間を除き、先発5試合ですべて得点を決める活躍で通算8ゴール。ケネディ(名古屋)に並んで得点ランク首位に立った。日本代表入りが期待される新星が4年後に向け猛アピールした。

 ほれぼれとする決定力だ。後半2分。平井は相手DFがボールをはじくのを見逃さなかった。MF武井からの縦パスが入ると、一直線にゴール目掛けて走り、迷わずに右足でシュートを放った。ボールがネットに吸い込まれるのを見届けると、徳島生まれの新星は阿波踊りを披露しながら喜んだ。雨が降り、蒸し暑い本拠地万博をスカッとさせる豪快な1発。J再開の初戦でいきなり結果を出した。

 2014年W杯ブラジル大会のエース候補に名乗りを上げた。得点ランクトップに並ぶ今季8点目。左太もも裏肉離れで戦列を離れた4月中旬からの4試合を除けば、先発したリーグ戦5試合連続の8発だ。ACLでも4戦4発。昨季まではベンチ入りすら微妙な立場だったが、驚異的な数字をたたき出し4年後が楽しみな存在になってきた。

 平井

 このチームはパスが回って来ますから、ボクはただシュートを打てばいい。打たないと入らないし、打てば何かが起きる。適当に打つだけですけどね。

 日の当たらない時間が長かったから、どこまでも無欲だ。これだけの結果を出しても、次のW杯に関しては「まだ何とも思わない。(代表に)入れるとも思わないし、4年後はまだ先。考えることはできない」という。日本中が熱狂に包まれたW杯期間はグアム合宿中で、1次リーグ突破を決めたデンマーク戦は夢の中にいた。平井は「ヤットさん(遠藤)のFK弾もボクは見ていない」と笑った。

 平井の成長はG大阪にとっても、日本にとっても明るい材料だ。勝利こそ逃したが、西野監督は「大きな仕事をした。これ以上は求めない。課題はたくさんあるけど」と褒めた。次戦浦和戦(18日)は遠藤が復帰し、元韓国代表FWイ・グノも加わる。新星に導かれ、G大阪の逆襲の夏が訪れる。【益子浩一】