<J1:山形1-0横浜>◇第19節◇17日◇ニッパ球
山形が虎の子の1点を守り切り、J1昇格後では初の3連勝を達成した。後半7分、MF増田のFKを、DF石井秀典(24)が左足でゴール。J1初得点を、石井はもちろん、仲間も精根尽きるまで体を投げ出し、横浜に1-0で勝利。終了の笛に、選手がバタバタ倒れるまで体力を使い切り、3戦連続1-0勝ちとなった。
後半7分、DF石川が、ゴールやや左、約30メートル地点にFKをセットする。相手はもちろん、観衆の注目を一身に集める石川の左脇で、MF増田がスッと蹴り上げた。壁を越えワンバウンドしたボールに、逆サイドから走り込んだDF石井が、左足で押し込んだ。喜びを表したいが、どうにもポーズが様にならない。J1初得点を、くしゃくしゃの笑顔で精いっぱい表した。
J1昇格後、初めてのリーグ戦3連勝を引き寄せたゴール。石井の苦悩を知るサッカーの神様が与えた、ご褒美だ。J1初体験の昨季、失点の責任を一身に負い、シーズン序盤で体調を崩した。モチベーションが上がらず、「サッカーを見たくもなかった」と当時を振り返って話したこともある。だが逃げずに、シーズン終盤に戦線復帰。J1残留に貢献した。
みんなからお笑い芸人の石井ちゃんと同姓という理由で「チャン」と呼ばれ、いじられる。昨季から4度はね返された「3連勝の壁」を、一見、クールだがムードメーカーが打ち破った。チームの勢いは、間違いなくさらにアップする。
この試合前、山形側のウオーミングアップ室のみエアコンが壊れるハプニング。その代わりに、普段は20分もできないピッチでのアップを、10分ほど多く認められた。息を吸うのも嫌なくらいの蒸し暑さに、期せずして体が慣れた。この勝利で暫定9位に浮上。「調子がいいうちに勝ち点を稼ぎたい」と話す小林監督。石井を始めイレブン全員も、思いはひとつだ。【山崎安昭】



