仙台が中2日の正念場を総力戦で乗り切る。20日のホーム清水戦に1-3で敗れ、J1残留を持ち越したが、明日23日のアウェー新潟戦(東北電ス)へ向け、手倉森誠監督(42)が全選手にメンバー入りの可能性を明言。普段は出発の前日に伝えられる遠征組の発表を、異例の当日にすることを決断した。出場停止、疲労、負傷、ノロウイルスの感染と試練が重なる中、イレブンに一体感を求めた。

 清水戦から一夜明け、手倉森監督が総力戦への進軍ラッパを鳴らした。清水戦で1発退場したDF朴は出場停止、最年長35歳のMF永井は体力的に連戦は厳しい。そこで変化を加えた。普段、遠征メンバーは敵地への出発前日(試合2日前)に発表し、準備を整えさせる。だが「今回は明日(22日)の練習後に発表し(バス発車までの)2時間で準備してもらう」。残留をつかむため、全員に緊張の糸を張り詰めさせる狙いもある。

 10人で清水と渡り合って満身創痍(そうい)だ。タフネス赤嶺ですら「めちゃくちゃ疲れましたね~」。DF菅井は左ふくらはぎを痛め、選手の疲労もマックス。さらに先週、一部選手のノロウイルス感染まで発覚した。チームはこの日から28日まで、クラブハウス周辺でのサインなどのファンサービス自粛を決めた。

 それでも、手倉森監督は「道が険しいほど、残留した時の喜びは増す。(朴)柱成と永井、負傷中の関口と富田を除く全員に、新潟戦に出る可能性がある」と強調した。清水戦の後は立ち上がれないほど力を出し切ったMF斉藤も「このアクシデントを、どう乗り切るか。チームの総合力が試される」と言った。難局の先に残留があると信じ、全員で突き進む。【木下淳】