芝刈って、勝つ!

 奇跡のJ1逆転残留に向け、神戸が秘策に出た。勝利が求められる最終節浦和戦(4日、アウェー)に向け1日、神戸市内の練習場の芝生を、27ミリから決戦の地・埼玉スタジアムと同じ22ミリに刈り上げた。敵地は通常より芝が短い上に、大量の水をまくためボールが走りやすい。チームはJ2降格圏の16位とがけっぷち。“仮想ピッチ”で徹底練習をこなし、浦和戦へ仕上げる。

 突然の芝刈りは、神戸のグラウンドキーパーの発案からだ。14年も芝の管理を続ける石田光さん(52)は「私らはこれくらいしかお役に立てませんから。(残留のためなら)何でもやりたい気持ち」と汗だくだ。過去、日本代表ではMF中田英寿が国際Aマッチ直前にパスの速度を速めるために芝を刈るよう要請したことはあるが、Jクラブでは極めて異例だ。

 浦和戦には故障で今季絶望のエース大久保嘉人ら、全選手が敵地にかけつける。この日の練習ではGK徳重健太(26)が左膝を打撲し、FW小川慶治朗(18)も右足首痛を抱える。不安要素もあるが、和田昌裕監督(45)は「我々は勝つしかない。みんな一緒に戦ってくれてありがたい。感謝です」。スタッフや裏方の力も結集し、総力戦で残留をつかむ。【益子浩一】